
「長く寝たのに疲れが取れない」「布団に入っても眠れない」——そんな日は、寝る直前だけでなく、朝から夜までの流れを見直してみましょう。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保すること、そして時間だけでなく「眠って休養できた感覚」を大切にすることが勧められています。ただし、必要な睡眠時間には年齢や体質による個人差があります。8時間という数字だけにこだわる必要はありません。
この記事の結論
最初に変えるなら、①起床時刻をそろえる、②朝の光を浴びる、③夕方以降のカフェインと寝酒を控える、④眠くなってから寝床に入る、の4点です。
まず確認したい「睡眠時間」と「睡眠休養感」
睡眠を振り返るときは、就寝時刻だけではなく、次の3項目を一週間ほど記録すると改善点を見つけやすくなります。
- 睡眠時間:何時ごろ寝て、何時ごろ起きたか
- 朝の回復感:「よく休めた・普通・つらい」の3段階
- 日中の状態:強い眠気、集中しづらさ、居眠りの有無

朝にすること:体内時計を毎日リセットする
1. 起床時刻を大きくずらさない
まず決めたいのは、寝る時刻より起きる時刻です。休日も平日との差を広げすぎないようにし、起きたらカーテンを開けます。前日に眠れなかった日も、昼過ぎまで寝続けると次の夜の寝つきが遅れることがあります。
2. 起きたら明るい光を取り入れる
朝の光は、睡眠と覚醒のリズムを整える手がかりになります。窓辺で過ごす、ベランダへ出る、通勤時に少し歩くなど、続けやすい方法で構いません。天候が悪い日も、まず部屋を明るくしましょう。
3. 水分と朝食で活動モードへ切り替える
起床後に水分をとり、無理のない範囲で朝食をとります。飲み物を準備する数分を、夜から朝へ気分を切り替える時間として使うのも一つの方法です。

日中にすること:夜の眠気を育てる
1. 無理のない運動を習慣にする
運動は一度だけ頑張るより、散歩や家事などを定期的に続けることが大切です。まずは明るい時間に10分ほど歩くなど、体調に合わせて始めます。激しい運動を寝る直前に行うと目がさえる人もいるため、自分の反応を確認してください。
2. カフェインは夕方以降控えめに
カフェインはコーヒーだけでなく、緑茶、紅茶、コーラ、エナジードリンク、チョコレートなどにも含まれます。影響の強さには個人差がありますが、眠りが浅いと感じる人は、まず夕方以降をノンカフェイン飲料へ置き換えてみましょう。
3. 昼寝は遅い時間・長時間を避ける
眠気が強い日に短く休むことはありますが、夕方以降や長時間の昼寝は、夜の眠気を弱めることがあります。昼寝後に夜の寝つきが悪くなる場合は、時間帯と長さを見直します。

夜にすること:眠れる条件を少しずつそろえる
1. 就寝直前の食事と寝酒を避ける
遅い時間の重い食事は、胃腸が働き続けて眠りを妨げることがあります。また、アルコールは一時的に寝つきを早く感じさせても、睡眠後半を浅くし、中途覚醒を増やす可能性があります。「眠るためのお酒」にはしないようにしましょう。
2. 入浴は就寝の1〜2時間前を目安に
熱すぎない湯で体を温め、その後に体温が下がっていく流れを利用します。熱い湯や長風呂で目がさえる人は、温度を下げるか時間を短くしてください。
3. 寝る前の光と情報を減らす
就寝前は部屋の照明を少し落とし、仕事、ニュース、SNSなど考え事が増える情報から距離を置きます。スマートフォンを完全に禁止するより、「寝床へ持ち込まない」「充電場所をベッドから離す」など具体的なルールの方が続けやすくなります。

寝室を整える:全部を買い替えなくてよい
寝室は、光・音・温度と湿度・寝具の順に、最も気になる一つから確認します。
- 街灯や朝日が気になるなら、カーテンやアイマスクを試す
- 生活音が気になるなら、ドアや窓の隙間、家電の動作音を確認する
- 暑さ・寒さで目が覚めるなら、寝具と室温の組み合わせを調整する
- 枕やマットレスは、価格より寝姿勢、痛み、寝返り、返品条件で選ぶ

布団に入っても眠れないとき
眠ろうと頑張るほど緊張することがあります。眠気がないまま長く寝床で悩み続けるより、一度ベッドを出て、暗めの場所で静かな読書や呼吸法などを行い、眠気が戻ってから寝床へ戻ります。時計を何度も確認しないことも大切です。
翌朝は可能な範囲でいつもの時刻に起き、日中を活動的に過ごします。これを繰り返しても不眠が長く続く場合は、自己流だけで抱え込まず専門家へ相談してください。
7日間で試す快眠プラン
- 1日目:毎日の起床時刻を決める
- 2日目:起きたらカーテンを開け、朝の回復感を記録する
- 3日目:夕方以降のカフェインをノンカフェインへ置き換える
- 4日目:明るい時間に10分歩く
- 5日目:就寝1〜2時間前に入浴する
- 6日目:寝室の光・音・温度から一つだけ調整する
- 7日目:一週間の記録を見て、効果を感じた習慣を一つ残す
医療機関へ相談したいサイン
次の状態がある場合は、生活習慣だけで様子を見続けず、かかりつけ医や睡眠を扱う医療機関へ相談してください。
- 大きないびき、睡眠中に呼吸が止まる・むせると指摘された
- 朝の頭痛や強い口の渇きがあり、日中の眠気が強い
- 眠気で運転や仕事、学業に支障が出ている
- 脚がむずむずして眠れない、睡眠中の異常な動きを指摘された
- 不眠や気分の落ち込みが続き、生活に影響している
まとめ:一度に全部変えない
快眠のために高価な寝具やサプリを最初にそろえる必要はありません。まずは起床時刻、朝の光、夕方以降のカフェイン、寝酒、寝室環境の中から一つ選び、一週間試してください。朝の回復感がどう変わるかを見ながら、自分に合う習慣を残していきましょう。
参考資料
- 睡眠対策・健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)
- 快眠と生活習慣(厚生労働省 e-ヘルスネット)
- 不眠症(厚生労働省 e-ヘルスネット)
- Insomnia Treatment(米国国立心肺血液研究所)
この記事は一般的な生活情報であり、診断や治療の代わりではありません。症状が続く場合や健康上の不安がある場合は、医療機関などの専門家へご相談ください。情報確認日:2026年8月20日。
眠りの基本寝具を買う前の5分チェック
眠りの基本朝つらいを変える3つの合図
眠りの基本夜中に起きる日の見直し方